定期的にテレビゲームで遊ぶ男の子はうつ病になるリスクが低いという研究結果

1 週間前

テレビゲームで定期的に遊ぶ男の子はうつ病になるリスクが低いという研究結果

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 何事もやりすぎると良いことはないが、適度であればメリットをもたらすこともある。よく議論されているのが子供のテレビゲームだ。有害であるとする研究結果がある一方で、有益であるとする研究結果も報告されている。

 昨年アメリカでは、テレビゲーム療法がADHDの治療に役立つとして正式承認されたが、イギリスの最新研究によると、定期的にテレビゲームで遊ぶ11歳の男の子を調査したところ、3年後にうつ症状を発症する可能性が低いということがわかったそうだ。

 『Psychological Medicine』(2月19日付)に研究論文を発表したユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのアーロン・カンドラ氏はこう説明している。

この研究に関して言えば、テレビゲームが有害であるようには見えず、それどころかメリットがある可能性もあります。特にコロナ禍では、テレビゲームは若い人たちにとって重要な社会的プラットフォームでした

11,000人以上の子供たちの画面を見る時間を調査

 カンドラ氏のこれまでの研究では、じっと座ってばかりで、あまり体を動かさないライフスタイルは、うつ病や不安神経症の発症リスクを高めるなど、思春期の若者たちのメンタルを悪化させることが明らかになっていた。

 そうした体を動かさないライフスタイルと関係が深いのが、今時の画面事情だ。じっと座っている人たちが何をしているかと言えば、スマホやPC、あるいはテレビ、ゲームといった画面を見ているのである。

 そこでカンドラ氏らは、この点をさらに深掘りするために、子供たちの画面を見る時間(スクリーンタイム)についてもっと詳しく調べていることにした。

 分析されたデータは、「ミレニアム・コホート研究(Millennium Cohort Study)」に参加した11,000名以上の思春期の子たちのもの。

 ミレニアム・コホート研究では、11歳の時点でのSNS・テレビゲーム・インターネットを利用する頻度、ならびに14歳の時点でのうつの兆候(落ち込む、楽しくない、集中力がないなど)の有無を明らかにする質問がなされていた。

 またデータの分析にあたっては、社会経済的地位・運動量・いじめの有無・それ以前の感情といった、結果に影響を与える可能性がある要因も加味された。

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毎日ゲームで遊ぶ男の子はうつになりにくいことが判明

 その結果、11歳のときにほぼ毎日ゲームで遊んでいた男の子は、月に1度未満の子に比べて、3年後にうつ病の兆候を示すリスクが24%低いことが判明したという。

 ただし、これはあくまであまり運動をしない男の子についてしか当てはまらない。運動をする男の子では、少なくとも統計上有意な形でそのような違いは見受けられなかったとのこと。

 また男の子に限っての結果で、女の子ではそのような違いが見当たらなかったそうだ。

 研究グループによれば、あまり運動をしない男の子は、ゲームから喜びを得ているばかりか、それが他人との交流手段にもなっている可能性がうかがえるという。

ゲームがうつ病のリスクを下げる

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女の子の場合、毎日SNSを利用するとうつ病のリスクが上がる

 この研究では、女の子の場合、ゲームよりもSNSに興味を持つらしいことも分かっている。ただし、こちらには注意が必要であるようだ。

 というのも、11歳の時点でほぼ毎日SNSを利用している女の子は、月に1度未満の子に比べて、3年後にうつ秒の兆候を示すリスクが13%高かったからだ。

 利用頻度がほどほどの子については不明だが、過去の研究でも似たような傾向が確認されている。またそうなる理由として、頻繁にSNSを利用すればするほど孤独感が強まるからではないかと示唆されている。

 なおインターネットの利用については、男の子でも女の子でも、うつ症状とのはっきりとした関連性は見出されなかったとのことだ。

References:Boys who play video games have lower depression risk -- ScienceDaily/ written by hiroching / edited by parumo
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