2023年11月17日、米非営利研究機関オープンAIは、創業者のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)を解任すると発表した。取締役会とのコミュニケーションが不十分で、取締役会の責任を果たす能力に支障をきたしているとの理由からだ。
アルトマン氏は、イーロン・マスク氏らと2015年にオープンAIを設立。チャットGPTやDALL-Eなどの大規模言語モデル(LLM)の開発を主導してきた。しかし、近年は社内混乱が続いている。
2022年には、アルトマン氏がマスク氏と共に、オープンAIの非営利運営を巡って対立。マスク氏はオープンAIの非営利運営を疑問視し、同氏が設立した会社「X」にオープンAIを売却しようとしたこともあった。
また、2023年には、オープンAIの社員が、(元CEO)アルトマン氏の経営手法を批判する書簡を公開。書簡では、アルトマン氏が社員の意見を聞き入れず、独断的な経営を行っていると指摘されていた。
アルトマン氏の解任は、オープンAIの社内混乱の象徴的な出来事となった。アルトマン氏の後任には、最高技術責任者(CTO)のミラ・ムラティ氏が暫定的に就任する。
オープンAIの今後の行方は
(OpenAI 元CEO)アルトマン氏の解任により、オープンAIの今後の行方が注目される。ムラティ氏は、テスラやゴールドマン・サックスでエンジニアや経営者として経験を積んだ人物だ。しかし、非営利団体の経営経験はないため、オープンAIの経営を安定させるためには、多くの課題を乗り越える必要があるだろう。
オープンAIは、LLMの開発において世界をリードする存在だ。しかし、その技術は、悪用される可能性も指摘されている。オープンAIは、LLMの開発と普及を進める上で、倫理的な課題にも向き合っていく必要があるだろう。
アルトマン氏の解任は、オープンAIにとって大きな転換点となる。オープンAIが、LLMの開発と普及を、社会に貢献する形で進めていくことができるのか、今後の動向が注目される。
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